サンプルの取出
SCPのサンプル(容器)は、全てトレイに収納された状態でストレージ(保存庫)に収納(入庫)されています。SCPにおける取出の手順は収納処理とほとんど同じです。収納の方法を理解すれば取出方法もほぼ理解できます。
必ずしも収納時と同じやり方を取る必要はなく、ご希望の運用に対して最適な方法で取出を行うことができます。

SCPでのサンプル運用イメージ
サンプル単位でストレージ内のトレイから取り出す
対象サンプルのバーコードを読み取り、ストレージからの取出処理を行います。1本単位ですが確実に実物を照合した処理が可能です。

サンプルをまとめてストレージ内のトレイから取り出す
SCP独自の機能である「ワークリスト」を使用して、一度に取り出すサンプルをまとめて作業として登録することができます。

ユーザーは処理対象のワークリストを出力し、作業指示書を見ながら取出作業ができます。
不連続な位置に収納されたサンプルも判別しやすくなっています。

リストのバーコードを使ってまとめてストレージから取出しすることもできますが、収納時にサンプルのバーコードを照合しなかった場合は、以下のようにサンプルを1つずつ照合しながら取り出すことを推奨します。
ワークリストは他の取出方法と異なり、その場ですぐに処理する必要がなく、あらかじめ作業を予約しておくことができます。

サンプルが収納されているトレイごと取り出す
トレイをストレージから取り出すと、中に収納されているサンプルも同時に取り出されます。ボックス単位でサンプルを管理されている方に便利な方法です。この処理を行う場合は、トレイにバーコードを印刷したラベルを貼付しておくことを推奨します。


この方法で取り出したサンプルは、ステータスは「取出済」ですが、トレイには収納された状態です。トレイから取り出すこともできますし、このままトレイごと別の場所に収納することもできます。

周辺機器を使った一括取出:2Dラックスキャナーを使用する
二次元バーコード付チューブは、大量のサンプルを効率的かつ確実に管理するために開発された、バイオバンキング向けの有効な手段です。
弊社が開発・販売する2Dラックスキャナー「cobaco」を使えば、チューブ底面の二次元バーコードをラック(トレイ)単位で読み取り、バーコード情報を一括出力できます。SCPでは、シームレスにcobacoを遠隔制御し、読み取ったラック・チューブをアドレス単位で管理します。
また、前述のワークリストを処理する際に、2Dラックスキャナーをを使用して対象のバーコードを一括で識別し、収納処理を迅速かつ確実に完了させることができます。また、独自メニューを使用してサンプルの保管位置の更新(リアレイ)なども確実に行うことができます。

周辺機器を使った一括収納:RFIDタグ一括スキャナーを使用する
RFIDは、非接触・隠ぺい状態で対象を識別できる、無線ICチップの総称です。近年、超低温サンプルの識別技術として普及が進みつつあります。
弊社が開発・販売するフリーズボックス対応RFIDタグ一括リーダー「cobaco R」は、各容器とトレイ(ボックス)にRFIDタグ包埋ラベルを貼付することで、サンプルを効率的に管理できます。
ワークリストを処理する際、cobaco Rを使用してサンプルを一括で読み込み、収納処理を高速に完了させることができます。
2Dコード一括スキャナーと異なり霜などの影響をほとんど受けないため、トレイ単位での入庫処理が非常に短時間になります(ただし収納位置の照合は行いません)。



