細胞加工施設における、携帯端末を用いた工程管理
細胞治療の現場では、患者から採取した血液・細胞をもとにクリーンルーム(CPC)内で加工が行われます。細胞培養と継代に伴う容器の移管作業や品質管理チェックなどを、取り違えなく確実に実施し、履歴を残すことは重要なことです。
しかしながら、クリーンルーム内ではPCの利用が制限されることが多く、その扱いも容易ではありません。
我々はIP67(防塵・防浸)のAndroid携帯端末(モバイルターミナル)を用いて、クリーンルーム内で各工程の処理ができるWebアプリケーションを開発しました。弊社が開発する検体管理ソフトウェア「SampleConductor Pro」と連携し、バーコード(あるいはRFID)照会を行い、検体情報の編集と情報更新、識別ラベルの発行をすべてタッチ処理で行います。
PC不要のシンプルな操作と三点認証による照会処理を用いて、ミスなく確実な作業管理と運用が可能になりました。


システム構成
- システムは検体管理ソフトウェア「SampleCondcutor Pro」のサブシステムとして機能します。
- 運用施設内LAN環境にWebサーバを構築し、工程管理アプリケーションを稼働します。
- LAN環境内に、クリニック内、クリーンルーム内で使用するラベルプリンターをWiFi接続します。
- 工程管理アプリケーションからは、操作開始時に作業者のログインIDを携帯端末で照会し作業者を特定します。
- 取り違えやミスを防止するため、各処理時には作業者IDと患者ID、対象検体の三点認証を行います。
- Tフラスコなどの容器から拡大培養する場合には、あらかじめ移管対象となる容器の数量を入力すれば、自動的にラベルプリンターから識別ラベルが発行されます。
- 移管処理後に識別ラベルを読み取ることで、新旧の容器関係が紐づけられ、検体管理ソフトウェアに自動で記録されます。

モバイルターミナル

EA520 業務用モバイルターミナル
EA520は、エントリクラスながら優れたバーコード読み取り性能、高い堅牢性、手の平に収まるコンパクトな5インチサイズのボディを特徴に持つ、最新の業務用モバイルターミナルです。
- 太陽光下(輝度450nit)でも読み取り可能な5インチディスプレイ
- Android11 OS搭載(GMS認証済)
- ディスプレイ上に表示した1次元 / 2次元バーコード読み取りに対応、DPMバーコード読み取りモード付
- 手のひらにぴったり収まるコンパクトデザイン
- オールインワン機能︓HF帯RFID / NFCおよび13万画素カメラ
- 頑丈︓Corning®Gorilla®Glass3タッチディスプレイ、防塵・防水 IP67、落下テスト1.5m(ブートケース取付時1.8m)
- 長時間使用が可能で交換可能な4250mAhバッテリー
- Bluetooth®5/デュアルバンドWLAN、高速ローミング機能をサポート